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a piece of lumber / installation
建材として用いられる角材を用いた、自身に明かりを灯すオブジェ。
日々制作活動をする中で木材という素材に関心を持ち、興味の根源はどこにあるのか探ることから制作を始めた。
世の中の工業製品の素材と木材を比較して気付いたのは、金属、樹脂、布といった素材が原料を熔解・分解/凝固・合成して道具となるのに対し、木材は木目などの固有性を保ったまま人の手に届く特徴を持つことであった。
そしてその気づきを経てひとつの結論に至った。作者が普段見かける木製品やホームセンターの材木は、同じ材木というカテゴリにありながら全てが異なる木目を有している。この差異を感じ取ったとき、材木が山々に生えていた頃、ゆっくりと時間をかけ年輪を形成することで生まれた唯一無二の木目が果てしない自然のストーリーを想起させていることに作者は惹かれていると考えた。
一つとして同じ模様が現れない材木の魅力を引き出したいと考え、角材という身近な素材に明かりを灯し、自身の木目を浮き上がらせることで表現できないかと考えた。
自然が作ったシェードから透過する明かりは、太陽にかざした手のひらや、焚き火に似たじんわりと熱を与えるような赤みを帯びている。
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